《回答者》
◆消化器外科・一般外科
福外科病院
日本大腸肛門病学会専門医
日本炎症性腸疾患学会連携専門医
福 昭人院長
潰瘍性大腸炎は、大腸の粘膜に炎症を起こし、びらんや潰瘍を形成する慢性疾患です。原因はまだ明確に解明されていませんが、免疫の異常や腸内環境、遺伝的要因が関係していると考えられています。若い方に発症することが多く、再燃と寛解を繰り返すのが特徴です。主な症状は血便や下痢、腹痛、発熱、体重減少などです。進行すると貧血や全身の倦怠感を伴うこともあります。診断には大腸内視鏡検査が重要で、粘膜の状態を直接観察し、組織を採取して病理診断を行います。
治療は、まず薬物療法が基本です。5‒ASA製剤、ステロイド、免疫調整薬、生物学的製剤などを症状や重症度に応じて使い分けます。近年は新しい内服薬や注射薬が登場し、患者さんの生活の質を保ちながら治療できるようになってきました。重症例や合併症がある場合は外科的手術が必要になることもあります。
潰瘍性大腸炎は国の指定難病に含まれており、医療費の助成制度も利用できます。症状が長引く下痢や血便がある方は、早めに専門医へご相談を。潰瘍性大腸炎などの炎症性腸疾患専門医については、日本炎症性腸疾患学会のHPをご参照ください。
(ニュース和歌山/2025年10月19日更新)



























