7月4日公示、21日投開票で行われる参議院選挙。和歌山選挙区から立候補を予定する自民現職の世耕弘成氏(56)=公明推薦=、無所属新人の藤井幹雄氏(58)=立憲民主、国民民主、社民推薦=の2氏に、消費税増税、老後の安心をどう守るか、若者定住についての考えを尋ねた。(文中敬称略)

──10月の消費税増税について。増税による和歌山をはじめとした地域経済への影響をどのようにお考えですか。

世耕 社会保障の充実と財政健全化とのバランスを確保するため、消費税増税は賛成です。地域経済への影響については、中小企業・小規模事業者のキャッシュレス決済に対する消費者向けのポイント還元支援で対応していきます。

藤井 アベノミクスの6年間は、可処分所得の低下で消費も低迷。経済は上向かない時代でした。約束した議員定数削減も果たされていません。高所得者が得をする軽減税率や、一部の人だけが得をするポイント還元を伴う消費税引き上げには反対します。社会保障財源の確保は必要ですから、将来の引き上げのための条件整備を行います。

──高齢化が進み、人生100年と言われる現代。金融庁の報告書に記載された「老後資金2000万円」が話題になりましたが、老後の安心をどう守りますか。

世耕 高齢者だけではなく、若者にとっても持続可能な社会保障の姿を示し、将来の不安を解消することが、希望を持って頑張るための原動力となります。そのため、ウェアラブル端末や人工知能を活用した簡便で正確な健康管理と予防を行うことにより、病気になる人を減らしていきます。国民の健康が増進し、医療関係の新たな仕事が生まれ、そして医療財政が持続可能となるという、三方一両得を目指します。

藤井 100年安心年金と言ってきた政府の責任は重い。それでも、「自助」で資産運用できる人はまだいいのですが、低年金で暮らす方々の生活をどう保障していくのか対策を考えるべき。自助努力を促すだけの安倍政権とは違って、私は年金の持つ最低保障機能を強化していく政策を考え、参議院選挙の大きな争点として問うていきたい。

──東京一極集中は解消されるどころか加速しているようにも見えます。この社会の大きな流れの中で、地方に若者を定着させるにはどうすべきでしょうか。

世耕 地方での新たな起業、創業を支援します。課題が多いからこそ、地方だからこそニーズがあり、ドローンや人工知能のような新しい技術をフル活用することで、大きな可能生を生み出すことができます。地元の経験豊富な経営者や大企業を定年退職した方々、あるいは若手のベンチャー経営者に新たな事業を立ち上げてもらい、地方の経済を活性化させ、若者の雇用の場をつくり上げます。

藤井 人口減少問題に対して、県の経済活力がポイントになります。そのために企業誘致も大切ですが、人の誘致も考えます。新たに企業を起こす人材に海外から来てもらい、地元の若者たちと切磋琢磨して起業家を育てます。そのために、ヒト、モノ、カネの支援制度をつくります。今、20代、30代の和歌山の若者たちは宝物です。家族を愛し、和歌山が大好きな若者を育て、応援することが重要です。

(ニュース和歌山/2019年6月29日更新)