「コーヒー好きの両親の影響で、いつかカフェを開こうと思い続けていました」。森口司さん(63)は昨年3月、念願叶い和歌山市新中島にgli+cafe(グリタスカフェ)をオープンしました。夢を支え、一緒に切り盛りするのは、息子で店長の祐嗣さん(30)。互いを思いやる仲良し親子です。
安定した味を提供
──こだわりは?
司「安定しておいしいコーヒーを提供できるよう、サイフォンでいれることです。ドリップよりスッキリとした味わいになります。新鮮なコーヒーを飲んでほしいので、オーダーを受けてから豆をひきます」
祐嗣「標準的で飲みやすいグリタス、酸味はあるけど苦味は弱いライト、逆に酸味が弱く、苦味が強いアマノ、少し値段が高いですが、上質な豆で風味豊かなホワイトドラゴン。好みの味が見つかるよう、この4種のブレンドコーヒーを出すことです」
──食事のおすすめは?
司「低カロリー、高たんぱくのラム肉を使ったバーガーです。他店と違う看板メニューを作ろうと思っていたところ、知人の紹介でオーストラリア産ラム肉が手に入るメドが立ちました。柔らかくてクセの少ない肩ロースの粗切りとミンチを合わせ、つなぎを使わないパティを考案しました」
祐嗣「パティとバンズのみで、100%ラム肉の味を楽しめるラム禅バーガーと、アボカドやレタスなど、野菜をたっぷりはさんでよりヘルシーにしたラム豊バーガーの2種類。どちらも健康志向の女性に人気です」
母の夢、支える息子
──カフェは夢だったんですか?
司「母が毎朝サイフォンでコーヒーをいれるほど、両親ともコーヒー好きだったんです。子育てを終えた40代後半からだんだんと『店を開きたい』と思うようになり、当時の仕事が一段落した59歳でカフェ経営の専門学校に通い始めました」
祐嗣「コーヒーは特に好きだったわけではないのですが、東京の大学に進学してからハマり、カフェ巡りをするようになりました。高校時代、母から『将来一緒にカフェをしようよ』と冗談半分で言われていたのも頭にありました」
──なぜ母子一緒に?
司「専門学校を1年で終えた時は60歳。店を始めようと祐嗣に報告すると、『じゃあ和歌山に帰るよ』と…。まさかの申し出でしたが、心強さが湧いてきました」
祐嗣「『母ならいつか本当にやるだろうな』と思っていたので、飲食業界の経験を積もうと2年前までレストランやカフェの運営会社に勤めました。私は元々一緒にするつもりだったんですけど、母はとにかく驚いていました(笑)」
──今後は?
司「デザートのメーンがワッフル。シフォンケーキとチーズケーキもありますが、種類をもっと増やしたいです」
祐嗣「母は生まれも育ちも和歌山。地元のいろんな飲食店とつながりがあるので、コラボメニューを作れたらおもしろいかなと。店同士の相乗効果が生まれ、地元を盛り上げるきっかけになれたらいいですね」
【gli+cafe(グリタスカフェ)】
和歌山市新中島134-3
営業時間 10:00〜18:00
10:00〜22:00(金、土曜)
10:00〜20:00(日曜)
定休日 木曜
電話 073・488・6775
(ニュース和歌山/2024年9月7日更新)