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 病気や事故の際、救急車到着までの間に近くにいるアプリ登録者に助けを求めることができるスマートフォン用アプリ「マイSOS」を、県とNTTドコモが共同企画し、5月14日に配信を始めた。全国初の取り組みで、県危機管理・消防課のわき()田佳典さんは「医療行為でなくても、救急車の誘導や倒れている人への声かけも立派な支援。多くの人に登録してもらい、助け合いの精神を広めたい」と望んでいる。

 急病などで倒れた際、心臓停止は約3分、呼吸停止は約10分で約半数の人が命を落とす。救急車到着までの平均時間は全国で8分30秒、県内は7分40秒程度。出動件数の増加などでその時間は年々遅くなってきており、到着までの処置の重要性が高まっている。

 アプリは、スマホの位置を測定するGPS機能を活用。救援を要請すると、半径300~500㍍以内にいる同アプリ利用者で救援可能登録をしている人のスマホに通知が届く。また、県内のAED(自動体外式除細動器)1700ヵ所と、県の救急医療機関指定病院59ヵ所の地図を表示。患者本人のかかりつけ医や内服薬、緊急連絡先を保存できる「マイカルテ」や、小児救急、応急手当の方法を見られる機能もある。

 現在、救援可能者に登録しているのは100人で、県は医療機関を中心に登録を呼びかけている。わき田さんは「医療資格を持つ人の近くでだれかが倒れていても、気付かない場合がある。そんな時に役立つのがこのアプリ。国体までに1000人の登録をめざします」と意気込む。

 ダウンロード無料。ドコモ以外も利用可。同課(073・441・2274)。

わき()=本来の漢字が、“にくづきに刀が3つ”の機種依存文字のため、ひらがなで表記しました

(ニュース和歌山2015年5月30日号掲載)