新型コロナウイルスの影響で様々な活動やイベントが制限される中、動画を使った取り組みが広がっている。

フレイルサポート紀の川 たんぱく質たっぷりレシピ

 毎日の食卓にたんぱく質を手軽に取り入れられるメニューをと、レシピ動画を配信するのはフレイルサポート紀の川。メンバーの加藤壽子さんは「食事の量が減ると高齢者はやせてしまう。一日に必要なたんぱく質の量や、どんな料理にすればいいか悩んだ時に作り、体力や体重維持に役立てて」と呼びかける。

 2017年に紀の川市の有志が立ち上げた、平均年齢69歳の会。地域の高齢者が自分の足で歩いて過ごせるよう、正しい歩き方の講習会を開くほか、ウォーキングマップを作成してきた。コロナを受け始めたのが、体の衰えを予防するレシピ作り。毎日2回以上、肉や魚を食べていない人が多いことから、栄養面でのサポートをと企画した。

 メニューはサバやツナの缶詰、肉、大豆など、たんぱく質の多い食材を使ったもの。栄養バランスを計算する管理栄養士の東純代さんは「必要な栄養素を取れていない人がかなり多い中、運動に必要な筋肉が減らないよう、たんぱく質を意識した料理になっています」と太鼓判を押す。

 2月の第1弾では蒸しサラダ豆を使った3品を公開した。3月3日には厚揚げの豚肉巻きや魚肉ソーセージ入りの焼うどんの作り方を撮影し、16日から順次配信。メンバーの西山テル子さんと北野淳美さんは「サラダは気に入って作り置きする人も。献立を考えるのが嫌になる時や、もう1品ほしい時にいいですよ」。

 動画はユーチューブ「フレイル予防応援チャンネル」。

 

孫市の会 まつり実演し 映像収録

 毎春、和歌山市鷺ノ森の鷺森別院などで孫市まつりを実施する「孫市の会」は、通常開催に代わり、3月14日、映像撮影のためにまつりを開いた。映像は3月中にユーチューブで発信する。

 戦国時代、鉄砲隊を率い、織田信長軍を追い払うほど勇猛だった雑賀孫市を知ってもらおうと開かれている孫市まつり。鉄砲部隊の演武や甲ちゅう姿の武者らによる野外劇が人気を集める。昨年は新型コロナで中止、今年も第3波で開催が困難になる中、メンバーから「まつりの灯を消してはならない」と動画を作ることにした。

 この日は例年通り、甲ちゅう姿に扮装した40人が和歌山城内を練り歩いた。鷺森別院では雑賀衆と織田軍の戦い、雑賀衆をテーマに歌う地元ロックバンド、ザ・ビートの演奏シーンなどを収めた。

 京都を拠点に活動する中野広之監督の協力を得て収録。中野監督は「逆境でも足を踏ん張り前に進もうとする姿は正しい。逆にチャンスになると思います」。孫市の会の森下幸生会長は「『来年はにぎやかな、いつも通りの祭りになればいいですね』との声も寄せられている。普段は撮れない映像も撮れた。孫市まつりが世界に知られ、後世に伝わればうれしい」と話している。

(ニュース和歌山/2021年3月20日更新)