109年ぶりサクラの新種? 1月のシンポで最新報告

 紀伊半島南部に見られるクマノザクラ(仮称)が、サクラとしては100年以上ぶりの新種発見となる可能性が高いと注目を集めている。このサクラの最新情報について、1月8日(月)に和歌山県民文化会館小ホールで開かれる「和歌山県の人と自然をつなぐシンポジウム~学び生かそう自然の力」で紹介される。

 これまではヤマザクラ、またはカスミザクラが変異したと考えられていたサクラ。森林総合研究所多摩森林科学園(東京)の勝木俊雄さんらが昨年から調査を進めており、ヤマザクラ、カスミザクラに比べて、開花期が早い、葉の長さ・幅が小さいなどの違いを確認した。ソメイヨシノより早い時期に花を付け、開花中はあまり葉が伸びないことから、観賞用として期待される。

 勝木さんが論文を提出中で、まだ新種か、変種かは決定していないが、来春にも結論が出る見込み。新種と認められれば1909年のカスミザクラ以来で、日本にある野生のサクラで10種類目となる。シンポジウムを主催する和歌山県自然環境室は「ムヨウランの仲間などめったに目にすることのない植物で新種が見つかることはたまにあるが、サクラのようによく研究されているものとなると極めてまれ」と説明。さらに「クマノザクラが見つかった紀伊半島南部は未知の可能性があるすばらしい場所だと再確認しました」と話す。

 シンポジウムは午後1時から。勝木さんによるクマノザクラの紹介、東北大学大学院の中静透教授の講演「紀伊半島の自然林の魅力と役割」、勝木さんや串本町観光協会の宇井晋介事務局長らによる討論「和歌山の森里川海」がある。希望者は氏名(ふりがな)、年齢、住所、電話番号をFAX(073・428・0960)かメール(sizen@wbs.co.jp)する。無料。先着250人。同室(同441・2779)。

(ニュース和歌山/2017年12月16日更新)