《回答者》
◆整形外科
貴志川リハビリテーション病院
手外科専門医・足の外科認定医
整形外科専門医
谷口 泰德 副院長

 親指の付け根の関節が変形し腫れて痛む病気は、母指CM関節症と呼ばれます。CM関節とは親指の付け根にある関節の名称です。この疾患ではハサミを使う時やペットボトルのふたを開ける時、親指に強い痛みが出ます。原因は加齢や親指への負担増加です。更年期以降の女性に多い傾向があり、女性ホルモンの減少が関係していると考えられます。X線検査では関節のすき間が狭くなり、骨にトゲ状の変形が見られます。

 治療は保存的治療と手術的治療があります。保存的治療では、外用剤、鎮痛剤の投薬や関節への負担軽減のために装具装着を行います。痛みが強い時は、ステロイド注射を行います。注射は関節の強い炎症を和らげる効果がありますが、効果は一時的です。短期間の繰り返しの注射は軟骨を損傷する恐れがあります。保存的治療で改善せず痛みが強く、関節の変形が高度な時には、患者さんの状況に応じて手術が選択されます。関節形成術では骨の一部を切除し再建します。力仕事をする人にはCM関節を固定する関節固定術を行います。術後は3〜4週間のギプス固定が必要です。詳細は手外科専門医にご相談下さい。

(ニュース和歌山/2026年3月21日更新)