山の妖怪

出没地域:和歌山県全域

怖さ:3


 年を経た樹木に宿るとされる木の精霊。木霊の宿った木を切ろうとすると災いが降りかかったり、木が血を流したりするという。山や谷で音が反射して遅れて聞こえる現象は、この精霊のしわざであるともされ、その響く音を「やまびこ」、または「こだま」と呼ぶ。

 熊野の伝説では、奥山で亡くなった死者の霊魂が供養されずにさまようとき、死者が大人であればダルになり、子どもであればこだまになるらしい。こだまは滅多に姿を現さないが、風もないのに木々が揺れ、ハラハラと葉が落ちるときはこだまがそこを通っている証拠。

 山に迷ったとき、こだまに助けを求めて声を上げれば、その声を里にまで響き伝え、助かることもある。
…   …   …   …   …   …
 妖怪をこよなく愛する和歌山市の漫画家、マエオカテツヤさんが毎週土曜日、妖しの世界に誘います。

(ニュース和歌山より。2017年4月1日更新)