町の妖怪
怖さ:2
出没地域:印南町
昔、印南町は道が悪く災害が多かったので、天候が悪くなると店に何も並ばないことがままあった。それを見越してか、御坊のほうからよく行商人が来た。ある大きな台風の後、塩や味噌、肉を売りにきた。笹に包まれた肉は異臭を放っている。何の肉か聞いても、獣としか教えない。しかし食べるものがないので、それを買った。早速、煮て食べると、煮汁まで飲み干してしまうほどものすごく美味しい。あっという間に家族で食べつくした。ところが食べた後、家族全員、体が熱くカッカする。おまけに老若男女関係なく真っ赤な乳が出たという。いったい何の肉だったのだろう。
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(ニュース和歌山/2025年6月28日更新)