明治末期の法輪寺(和歌山市吉田)を西側から撮影した写真です。樹木で遮られていますが、右から鐘楼門、二層屋根の本堂があって、左に大きく見えているのは庫裡と思われます。いずれも戦災で焼失しましたが、鐘楼門を入って奥の聖天堂だけは焼失を免れました。

 戦後、境内に遷宮された東の宮恵美須が毎年、賑わいます。当時の伽藍配置は『紀伊国名所図会』に描かれています。農地で囲まれている風景は江戸末期から明治末にかけて大きな変化はなかったようです。

 (古書肆紀国堂=和歌山市築港1─11=店主の溝端佳則さんのコレクションを紹介します)

(ニュース和歌山/2018年8月25日更新)