《回答者》
消化器外科・一般外科
福外科病院 消化器外科専門医・大腸肛門病専門医・消化器病専門医 福 昭人院長

 大腸がんの有無を調べることが重要です。16年の全国調査によると、大腸がんは女性のがん死亡原因1位、男性の死亡原因3位になっています。

 しかし、大腸がんは早期発見、早期治療をすれば100%近く治ります。精密検査は大腸内視鏡検査が有用ですが、高齢のため多量の下剤を服用できない方や、病気ですでに大腸が細くなって、内視鏡が通過しにくいといった困難例もあります。

 そこで今、注目を集めているのが、人工知能搭載の新型128マルチスライスCTを利用した新しい大腸検査です。特殊な解析ソフトを併用することで、あたかも大腸を内視鏡で観察したり、レントゲンで撮影したかのような画像を作成することができます。大腸CT検査は高精度で、しかも大腸内視鏡検査や注腸検査よりも、比較的楽に短時間で検査できます。

 ただし、大腸CT検査も、少量の下剤を服用するなど前処置は必要です。事前に大腸肛門病や消化器病専門医の診察を受けることが欠かせません。

(ニュース和歌山/2020年8月22日更新)