《回答者》
眼科
𠮷村眼科 𠮷村 利規院長

 物を見るために重要な網膜の黄斑部に、何らかの病変が生じていると思われます。通常、片眼に発症しても、正常に見える方の眼がカバーするため、気づくのが遅れたりします。

 この症状が現れる病気には、加齢黄斑変性、糖尿病網膜症、網膜静脈閉塞症などがあります。加齢や眼底の異常血管の活動によって黄斑部がむくんだり、水や血液がたまったりすることで黄斑部が変形し、歪んで見えるのです。

 原因は、眼科が行う眼底検査で調べられます。最近では、光干渉断層計(OCTスキャン)を使った画像診断を取り入れているところもあり、精密な検査が可能になったと同時に、誰もが病変について、画像を見ながら分かりやすく説明を受けられるようになりました。

 治療は、異常血管の活動の元となる血管内皮増殖因子(VEGF)を抑える薬剤を眼内に直接注射します。外来通院でも行えますが、手術並みの清潔な環境が求められますので、治療できる施設は限られています。

 予防は、禁煙に加え、ビタミンC、ビタミンE、βカロチン、亜鉛などのサプリメントの摂取を勧めることもあります。

 見え具合がおかしいなと思ったら、かかりつけの眼科を受診して相談してください。

(ニュース和歌山/2020年8月22日更新)