70歳の主婦です。最近、自宅でよく転びそうになります。居間やお風呂、廊下などで足を滑らせたり、少しの段差につまずいたりします。何が原因でしょうか。また、転倒予防の体操などがあれば教えてください。

 

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《回答者》
リハビリテーション科
今村病院リハビリテーション部
理学療法士
橋本 脩平先生

 転倒リスクにつながる要因は、次の2点が挙げられます。1点目は、疾患による身体機能の低下や、薬の副作用などによる内的因子です。2点目は、床が滑りやすかったり、手すりが備え付けられていないなど、住宅環境に起因する外的因子です。それらに加えて、加齢による筋力の低下や歩行障害、視力の衰えなどが重なることで、転倒リスクが高まります。

 自分が転倒しやすい身体状態かどうか、簡単にチェックする方法があります(図1)。それぞれの項目に○や×で回答し、合計が6点以上であれば「転倒要注意」となります。

 図2と図3は、転倒予防に効果的な体操です。「おしり上げ体操」は、おしりやおなかの筋肉を鍛え、骨盤や下半身を支える力を強くし、転びにくい身体づくりを目指します。1日に10回×2セット行います。「座って膝伸ばし体操」は、太ももの前の筋肉を鍛えます。余裕のある方は、足に重りをつけて行うと、より効果的です。この体操も1日に10回×2セット行います。これらの体操は決して無理をせず、できる範囲で行ってください。無理をするとケガにつながりますので、注意が必要です。

 今回ご紹介した体操は、継続することで効果を発揮します。転倒を予防する上で最も重要なのは、毎日少しずつでいいので、コツコツと運動を続ける習慣を身につけることです。もちろん、「毎日運動さえしていれば転倒を防げる」ということではありません。運動を習慣化しながら、食事や睡眠等を含めたバランスの取れた生活で、転倒しにくい身体をつくりましょう。

 実際に自宅で転びそうになったり、転んだりして心配な方は、専門医を受診し、相談の上、運動指導やリハビリを受けることをおすすめします。

(ニュース和歌山/2020年11月29日更新)