◆外科

楽クリニック 藤田 定則院長 

 

 

 A.  下肢静脈瘤は、初期、中期、末期と、少しずつ進行します。末期になると足の膝から下、特にくるぶしの周囲が色素沈着し、褐色になります。さらに進行すると、ただれて液がにじみ出たり、潰瘍ができて皮膚に穴が開いたりします。静脈が原因で出来る潰瘍は、見た目の割に痛みが少ないのが特徴です。

 治療は、まず、足を締め付ける医療用の包帯やストッキングを履く圧迫療法となります。足の表面の血管に停滞している血液を、足の中(深部)にある主な血管に押し戻し、血液の入れ替わりを改善します。ひどい化膿が無い場合は、特に消毒は行わず、ワセリンなどを塗り、圧迫します。抗生剤が必要なケースはわずかです。

 圧迫療法と並行し、飲み薬や塗り薬を使用することもあります。1〜2カ月治療し、改善しない場合は、手術加療が望ましいと考えます。

   手術は、原因となる血管の切除、あるいはレーザーによる血管内治療、硬化療法などを併用して行います。下肢静脈瘤の血管のコブがはっきりしていて、皮膚の症状がある場合は、手術治療が必要だと考えます。以前は入院が必要とされた治療も、日帰りでの治療が可能になりました。まずは医師にご相談ください。

(ニュース和歌山2015年4月25日号掲載)