◆リハビリテーション科

今村病院 理学療法士 林 圭介先生

 

 

A.  変形性膝関節症は、高齢者、なかでも女性に多い病気です。明らかな原因が無く、加齢や筋力低下、肥満等によって膝関節のクッションの役割を果たしている関節軟骨や半月板がすり減ったり変形することで発症します。一方、関節炎や骨折など、原因が他にある場合もあります。

 初期では、歩き始めや立ち上がり等の動作時に痛みがあります。悪化すると膝を完全に伸ばすことができなくなり、痛みも増え、日常生活が制限されます。また、安静時や就寝時にも痛みが出てきます。

 治療は、「保存療法」と「手術療法」です。保存療法には▽運動療法▽薬物療法▽装具療法▽物理療法等があり、これらを組み合わせて行います。保存療法で効果がない場合、手術療法が選択されます。

 保存療法の一つである「運動療法」は、膝周囲の筋力を増やす訓練や体重を減らすことで、関節にかかる負担を軽減したり、ストレッチで関節の動きをスムーズにして、動作時の痛みを和らげます。さらに、熱や電気等を応用した「物理療法」で痛みをコントロールします。

 ただ、症状によって、一人ひとり治療法は違います。医療機関で専門医に相談し、適切な治療を受けましょう。

(ニュース和歌山2015年5月23日号掲載)