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 機敏なタイヤさばきとスピード感あふれるドリブル、車いす同士の激しい衝突…。障害者スポーツの中でも花形とされるのが、車いすバスケットボールだ。車いすで行う以外は全て健常者のバスケと同じルール。県内唯一のチーム、琴の浦バスケットボールクラブのメンバーを中心に結成する和歌山県代表チームは週2回集まり、汗を流す。

 競技人口が少ない和歌山は、選手の平均年齢が40代。他府県の30代より一回り高く、体力やスピード、パワーで劣る分、ベテラン選手らがテクニックと戦術で補う。障害の重さで選手ごとに1~4・5点の点数が定められており、障害が軽い人ほど高い。コート内の5人の合計点は14点までで、20年以上競技を続ける林秀樹選手は「障害の軽い選手をどう生かすかが、得点力に大きく影響を与えます」。

 攻守の要となるセンターの日高英男選手は、和歌山での全国大会出場のため一昨年、大阪のチームから移籍した。「パスを受けられるよう、相手の手薄な所や背の低い選手が多い所を常に意識し、いかに得点に結び付けられるか考えています」

 10~60代、県内各地から集まる選手をまとめるのは山下敦美主将。「試合で劣勢になると黙り込んでしまいがちなので、積極的に声を出してもり立てます」と話す。

 毎年9月に開かれる西日本交流戦ではここ2年連続で2位。「今年こそ優勝し、紀の国わかやま大会に向けて勢いに乗りたい」と山下主将は力を込める。出身地や世代は違えど、「地元で勝利を」との思いは一つだ。

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 全国障害者スポーツ大会「紀の国わかやま大会」(10月24日〜26日)に出場する県の選手やチームを毎週土曜号で紹介します。

(ニュース和歌山2015年6月6日号掲載)