《回答者》
消化器外科・一般外科
福外科病院 消化器外科専門医・大腸肛門病専門医・消化器病専門医
福 昭人院長

 大腸疾患に関する検査が必要です。近年、大腸がんで亡くなる方が増えています。16年のがん死亡原因調査によると、大腸がんは全年齢における女性の1位、男性の3位でした。

 しかし、大腸がんは早期発見、早期治療をすれば100%近く治ります。精密検査では大腸内視鏡検査が有用ですが、高齢のため多量の下剤を服用できない方や、すでに大腸が細くなって、内視鏡が通過しにくいといった困難例もあります。

 そこで大腸CT検査が有用なこともあります。これは、新型のマルチスライスCTを利用した新しい大腸の検査法で、特殊な解析ソフトを併用することで、あたかも大腸を内視鏡で観察したり、レントゲンで撮影したかのように調べることができます。大腸CT検査は高精度で、しかも大腸内視鏡検査や注腸検査よりも、比較的楽に短時間で検査できます。

 ただし、大腸CT検査も前処置は必要です。事前に大腸肛門病や消化器病専門医の診察を受けることが欠かせません。

(ニュース和歌山/2021年1月23日更新)