《回答者》
消化器外科・一般外科
福外科病院 消化器外科専門医・大腸肛門病専門医・消化器病専門医
福 昭人院長

 便秘の定義は従来、便が3日以上出ない、出ても残便感がある場合とされてきました。しかし最近では、本来出すべき便が十分かつ快適に排せつできない状態とされています。

 便秘は女性や高齢者に多く、国内の約450万人が便秘といわれています。これまでの治療は、便の水分量を増やす酸化マグネシウムや腸を刺激して活性化するセンナの2成分が中心でしたが、改善が見られず悩んでいる方もたくさんいます。ヨーグルトや食物繊維の摂取、運動などの生活習慣の改善は手軽に取り組める一方、最近開発された新薬を上回る効果を期待することは困難です。

 なかなか治らない便秘は大腸がんが合併していることも考えられます。便潜血検査はもちろん、精密検査には事前の下剤量が少ない大腸CT検査が簡便で有用です。また、大腸疾患がなくても便秘を放置すると痔核や裂肛、痔ろうなどの肛門病の原因となります。日本大腸肛門病学会認定の大腸肛門病専門医にご相談ください。

(ニュース和歌山/2021年2月28日更新)