《回答者》

貴志川リハビリテーション病院
手・足の外科センター
整形外科専門医 手外科専門医
谷口泰德 副院長・センター長

 ボールなどの物が指先にあたって、指の第一関節が伸びなくなる外傷にマレット指があります。野球の他に、バレーボール、バスケットボールなどのスポーツをしているときに起こることが多いです。また、転倒して地面に手をついた際にも受傷することがあります。日常の軽い突き指でも起こることがあります。

 症状は、第一関節が伸びないことと関節の痛みと腫れです。マレット指はその原因によって2種類に分かれます。腱の断裂による腱性マレット指と骨折が原因の骨性マレット指です。診断はレントゲン写真で骨折を確認します。骨折があれば骨性マレット指と診断されます。腱性マレット指では骨折を認めません。

 治療法は原因によって異なります。腱性マレット指の時は一般に保存療法が行われます。装具を装着して第一関節を真っ直ぐに伸ばした状態で6〜8週間固定し、腱を癒合させます。骨性マレット指では手術療法が選択されます。手術は局所麻酔で、皮膚を切開せず、細い鋼線を2本刺入し骨折を固定します。

 突き指をした時は「大したことないだろう」と安易に自己判断せず、手外科専門医の先生にご相談ください。

(ニュース和歌山/2021年6月27日更新)