《回答者》
外 科
楽クリニック
藤田 定則院長

 下肢静脈瘤は足の静脈内の血液逆流防止弁が壊れることで発症します。血液が逆流し血管に滞ることで、血管が膨らみ、ボコボコとコブ状になってしまうのです。壊れた弁は元に戻らず、血管のコブも自然に治ることはありません。主な原因は、立ち仕事や加齢、肥満、遺伝、妊娠・出産が多く、男女関係なく発症します。

 足のだるさ、むくみ、夜間のこむら返りなどが症状として表れ、進行すると、皮膚に強い痒みがでてきて、色素沈着や皮膚の硬化などへと悪化していきます。気になる症状が無ければ運動を心掛け、経過観察で良いですが、不快な症状があれば治療の対象となり、手術加療を勧めています。

 血管の太さが1~3㍉程で、青く見える、くもの巣状静脈瘤や、さらに細く赤紫色に透けて浮き出て見える網目状静脈瘤もありますが、これらは症状が表れない静脈瘤であり、治療対象にはなりません。

 治療は、血管内に細いレーザーファイバーを通し、血管を焼灼し閉塞させる方法が主流で、傷も針穴ほどです。血管の状態によって異なった方法を選択することもありますが、いずれも保険適用で日帰り手術が可能です。重症化する前に専門医に相談しましょう。

(ニュース和歌山/2021年8月28日更新)