福外科病院 左下腹部 腫れ

《回答者》
消化器外科・一般外科
福外科病院
消化器外科専門医
大腸肛門病専門医
消化器病専門医
福 昭人院長

 痔核は肛門疾患の約60%を占める一般的な病気で、肛門のクッション機能をもつ静脈の束が異常に拡張したり、弾性繊維が断裂および減少する良性疾患です。症状には、排便時出血や痔核の肛門外への脱出などがあります。

 排便時出血や違和感、残便感等を含む痛みは内服薬や坐剤で治療可能です。しかし、肛門外に脱出する大きな痔核は外科的治療でしか完治しません。

 痔核が排便時に脱出する程度であれば、痔核を結紮(けっさつ)して脱落させたり、特殊な注射で硬化させる外科的治療を日帰りで行えます。一方、最も再発率の少ない治療方法である痔核切除術は、日帰り手術も可能ですが、数日間は術後出血の有無を確認する必要があるので、専門病院では入院を勧めることが多いです。

 いずれの日帰り手術の場合でも、高齢者や独り暮らしの方、基礎疾患で内服の多い方などは、術後の夜間や時間外の態勢等について担当医師と十分に話し合うことが大切です。

(ニュース和歌山/2021年9月25日更新)