《回答者》
◆眼科
吉村眼科 
吉村 利規院長

 春から夏にかけて増える紫外線は、皮膚だけでなく、眼の組織を傷害する作用があります。翼状片の発生、白内障の進行、加齢黄斑変性などの原因のひとつに、紫外線の影響が挙げられています。

 特に強い紫外線を発生するのは溶接作業の光です。防護メガネを使わず作業をしたために角膜の細胞が傷つき、しばらくしてから強い眼痛が起こり、夜間に眼科を救急受診する人もいます。また、雪は紫外線の反射率が高く、スキーや登山で長時間雪を見続けると眼が炎症を起こします。ウインタースポーツの際も、眼を護るサングラスが必要です。

 とはいえ、日常生活においては、目に傷害が出るほどの強い紫外線を受けることはほとんどありませんので、とくにサングラスはかけなくてもかまいません。さらに、一般的なメガネは、有害な紫外線をカットするコーティングが施されていることが多く、目は護られているといえるでしょう。

 ただし、目に見える光だけを制限するサングラスでは、視界が暗くなるので瞳が大きくなり、その分、眼に入る紫外線や赤外線が増えてしまい、目に有害となることがあります。サングラスを選ぶ際はレンズの色や機能を確認しましょう。

(ニュース和歌山/2022年4月23日更新)