《回答者》
◆栄養部
今村病院
管理栄養士
阿波 智巳先生

 血糖値は食事をすればだれでも自然に上昇しますが、〝食べ方〟によって上昇を穏やかにすることができます。

 食事や飲み物で摂取された糖分は、胃である程度消化され、吸収されやすい状態で小腸に届きます。糖分の吸収が始まると血糖値が上がり、それを下げるためにインスリンというホルモンがすい臓から分泌されます。その際、血糖値の上昇が急激に起こるとインスリンも大量に分泌され、血糖値が急上昇と急降下を繰り返します。その結果、すい臓が疲れて糖尿病になりやすくなったり、中性脂肪を作りやすくなってしまうのです。

 それを防ぐポイントは、野菜などに含まれる食物繊維を摂取するタイミングです。

 食物繊維には水溶性と不溶性があり、血糖値の急上昇を抑える効果が期待できるのは水溶性食物繊維です。水溶性食物繊維は、海藻類やきのこ類等に含まれ、特にネバネバ食材はおすすめです。空腹時に、食事の最初に食べることで、水に溶けてゲル状になった食物繊維が胃や腸で食べ物を包み込み、分解や吸収のスピードを穏やかにし、血糖値の急激な上昇を抑えます。

 コツを取り入れて、健康的な食事を楽しんでください。

(ニュース和歌山/2022年5月28日更新)