《回答者》
◆内 科
浜田脳神経外科・内科
日本内科学会 総合内科専門医
日本糖尿病学会 専門医・指導医
日本腎臓学会 専門医・指導医
北田 宗弘 院長

 腎臓は、血液をろ過し、不要物を尿中に捨てることで体内環境を一定に保つよう働いています。

 腎機能は、血中クレアチニン値と年齢、性別から計算する「eGFR(イー・ジーエフアール:1分間にろ過できる血液の量)」として示されます。例えば、「eGFR50」は、元気な腎機能を100とすると、50%に低下している状態と見なします。ただし、クレアチニンは筋肉で作られるため、筋肉量の多さ・少なさがeGFRの数値に影響を与えることがあり、ほかの検査による精査も必要です。

 ところで、腎機能低下の原因となる慢性腎臓病(CKD)をご存知でしょうか。 CKDは、20歳以上の8人に1人が発症する新たな国民病といわれ、腎不全から透析が必要になるだけではなく、心臓病や脳卒中の危険性が高くなることも分かっています。eGFR60未満がCKD発症のサインです。

 腎機能は年齢とともに低下し、特に糖尿病や高血圧は年齢相応以上に腎臓を早く傷めます。腎臓は、がまん強い臓器である一方、いったん悪くなると元へ戻りません。腎機能が低下していると言われたら、腎臓を傷める原因の発見・治療のため専門医を受診し、腎臓を守るよう努めましょう。

(ニュース和歌山/2022年6月25日更新)