《回答者》
◆眼 科
𠮷村眼科
𠮷村  利規院長

 物を見るために重要な、網膜の中心にある黄斑部に、何らかの病変が生じていると思われます。通常、片眼に発症しても、正常に見える方の眼がカバーするため、気づきにくいことがあります。病名としては、網膜前膜、加齢黄斑変性、糖尿病網膜症、網膜静脈閉塞症などがあります。加齢や眼底の血管異常により、黄斑部がむくんだり、水がたまることで黄斑部が変形し、歪んで見えるのです。

 まず眼科を受診し、眼底検査を受けてください。最近では、光干渉断層計(OCTスキャン)を使った画像診断を取り入れているところもあり、精密な画像を見ながら、誰もが病変について、分かりやすく説明を受けられるようになりました。

 網膜前膜は、症例に応じて手術で治療します。血管からの漏出が原因であれば、異常血管の活動の元となる血管内皮増殖因子(VEGF)を抑える薬剤を眼内に直接注射します。外来通院でも行えますが、清潔な環境が求められますので、治療できる施設は限られています。

 予防は、禁煙に加え、ビタミンC、ビタミンE、βカロチン、亜鉛などのサプリメントの摂取を勧めることもあります。

 見え具合がおかしいなと思ったら、かかりつけの眼科を受診して相談してください。

(ニュース和歌山/2022年8月27日更新)