《回答者》
◆眼 科
𠮷村眼科
𠮷村  利規院長

 物をはっきりと見るためには、まばたきによって目の表面の角膜が常に涙に覆われ、なめらかな状態でいることが必要です。

 涙は三層構造になっており、角膜に接しているムチン層、涙液の大半を占める水層、涙の蒸発を防ぐ油層に分かれます。ドライアイには、この三層構造が正常に保たれるよう、点眼液などで足りない成分を補います。

 以前は、水性の成分を補足する人工涙液の点眼液が中心でしたが、近年は、ムチンの産生を促す点眼薬が治療の主体となっています。また、従来は1日6回の点眼が基本でしたが、最近は、同じ成分でいながら長時間効果が持続する製剤が登場し、それにより、1日3回の点眼で同じ効果が現れるようになりました。点眼回数が少なくなると差し忘れも減り、より効果が期待できます。

 パソコンやタブレット、スマホをよく見る人はまばたきが減って、目が乾くと同時に目の疲れや不快感、かすみ目等の症状を覚えます。30分画面を見たら20秒は遠くを見て、目を休めることをお勧めします。

 薬局で購入できるヒアルロン酸Na点眼液で症状が改善しなければ、かかりつけ眼科を受診し、状態にあった治療と生活指導を受けてください。

(ニュース和歌山/2022年12月17日更新)