《回答者》
◆歯 科
しが歯科医院
日本糖尿病協会登録歯科医
志賀  弘明院長

 前回(12月17日号)に続き、糖尿病に対する歯科医の取り組みをご紹介します。

 歯周病と糖尿病の「負のスパイラル」を断ち切るには、医科歯科の連携が重要です。歯科で糖尿病を、医科で歯周病を各々確認し、相互に対応することで早期の改善が期待されます。

 歯周病治療は、歯磨きに加え、プラークや歯石の除去が基本です。しかし歯周病は、原因菌である細菌や真菌の感染症ですから、細菌数が多く増殖を起こしやすい場合には「除菌治療」が有効になります。

 除菌治療はまず、PCR検査でプラークを採取し、原因菌のDNAを調べます。その結果をもとに、重篤な歯周病を引き起こす「レッドコンプレックス」と呼ばれる危険な細菌群の有無と細菌数を特定し、薬で除菌していきます。効果的かつ精度の高い除菌治療が可能です。

 口腔内の歯周病細菌を除菌し、細菌数をリセットし、丁寧なホームケアや定期的な歯科検診、プロフェッショナルクリーニングを受けることが、歯周病治療ひいては糖尿病の改善に欠かせません。

 私たち日本糖尿病協会の登録歯科医師は、歯周病と糖尿病の改善に取り組んでいます。糖尿病の方は、歯周病検診を受けることを推奨します。

(ニュース和歌山/2023年1月29日更新)