《回答者》
◆総合診療科・外科
貴志川リハビリテーション病院
西村 和彦院長

 フレイル、サルコペニア、ロコモティブシンドローム(略称ロコモ)は、加齢や疾患による機能低下を指します。

 フレイルは、身体機能の低下(筋力の低下、低栄養、転倒など)、精神・心理的な機能低下(認知症やうつ病、意欲低下など)、社会問題的な低下(交流の減少、孤独など)が起こった、健康な状態と要介護状態の中間をいいます。

 サルコペニアは、加齢や疾患により筋肉量が減少し、全身の筋力低下および身体機能の低下が生じた状態です。

 ロコモティブシンドロームは、筋肉、骨、関節など運動器の障害のため、移動機能の低下を来した状態で、高齢者だけでなく、若い人にも起こっているのが特徴です。現在は便利な移動手段が多く、日常生活に支障を感じにくいため、自覚症状のないケースも多く見られます。

 健康寿命を伸ばすためには、フレイル、サルコペニア、ロコモティブシンドロームを予防することが大切です。ウォーキングやスクワットなどの運動習慣を取り入れるとともに、筋肉づくりに欠かせない肉、魚、大豆、乳製品などのタンパク質を摂取する食事を心がけましょう。生活機能や心身機能の低下をいち早く発見し、対処することが何より重要です。

(ニュース和歌山/2023年8月27日更新)