《回答者》
◆総合診療科・外科
貴志川リハビリ テーション病院
西村 和彦院長

 骨粗しょう症とは、骨密度の低下と骨質の劣化によって骨が弱くなり、骨折しやすくなる病気です。主に加齢や女性ホルモンであるエストロゲンの減少、運動不足などが原因の「原発性」と、特定の病気や薬の影響によって二次的に発症する「続発性」があります。

 健康な骨の維持には、骨の形成と吸収のバランス(骨代謝)が重要です。しかし、加齢に伴ってこのバランスが崩れ、さらに女性の場合、閉経などで骨の吸収を緩やかにするエストロゲンの分泌が低下することで、より骨の破壊が進行します。

 検査は、腰椎と大腿骨頚部の骨密度測定、血液検査、尿検査による骨代謝マーカーが有用です。治療は薬物療法が中心で、骨吸収を抑制する薬、骨形成を促進する薬のほか、ホルモン剤やビタミン剤など不足を補う薬を投与します。原因疾患の治療も必要です。

 予防には、牛乳、魚、納豆や海藻などをバランス良く摂ることに加え、適度な運動や日光浴も効果的です。40歳以上や閉経後は、定期的な骨密度測定が推奨されます。早期治療および治療継続が重要です。

 骨粗しょう症による骨折から要介護になる人も少なくありません。骨を健康に保ち、「健康寿命」を延ばしましょう。

(ニュース和歌山/2023年10月29日更新)