《回答者》
◆乳腺外科
さくらい乳腺外科クリニック
日本乳癌学会認定
乳腺専門医・医学博士
櫻井 照久院長

 甲状腺の病気は、20~40歳代の女性に大変多く見られます。甲状腺ホルモンが必要量より大量に産生され、甲状腺機能が亢進する代表的な病気が「バセドウ病」です。甲状腺の腫れ、暑がり、疲れやすい、体重減少、イライラする、眠れない、ドキドキする、脈がはやい、発汗が多い、血圧上昇、眼球突出など、さまざまな症状があります。

 一方、甲状腺ホルモンの量が不足して、甲状腺機能が低下する病気が甲状腺機能低下症で、進行した「橋本病」などで生じます。甲状腺の腫れ、寒がり、疲れやすい、動作が鈍い、体重増加、のどの違和感、月経不順、貧血と、こちらも全身に症状が見られます。

 また、甲状腺ホルモンは、女性ホルモンの分泌にも関係しているため、月経不順や無排卵などを引き起こし、不妊の原因になることがあります。

 甲状腺疾患は、血液検査や超音波検査で診断が可能です。気になる症状があれば、検査を受けられてはいかがでしょうか。

(ニュース和歌山/2023年10月29日更新)