《回答者》
◆外 科
楽クリニック
藤田 定則院長

 寒くなり、お腹が冷えて下痢や軟便になる方がおられます。年末の忙しさによる疲れやストレス、気温変化で体調を崩してしまうことにより下痢になったり、また、忘年会などでアルコールや食事の量が増えることもお腹に負担をかける原因となります。冬場は水分摂取量が減り、一時的に便秘になった後、排便のリズムが乱れて下痢になることもあります。

 下痢症状のような排便異常が続くと、肛門が傷み、不快感が生じます。この弱くなった肛門部を温水便座で洗ったり、石鹸で洗うと、皮膚が切れ、炎症を起こし、さらには膿が溜まるなどの状態悪化を招きます。

 予防として、まず、身体を温めつつ十分な睡眠をとって、ゆっくりと休養しましょう。乳製品、豆乳、野菜ジュースなどを日頃から毎日摂取されている方は、冬に軟便や下痢になることがあります。軟便になりやすい食物を避け、体調に気を配り、毎朝いい形状の便を出すことを心がけましょう。アルコール摂取で下痢になる人も多く、思い当たる方は、普段から控えるようにしましょう。

 もともと痔の症状がある人は、悪化させないため特に注意が必要です。年末年始、体調をしっかり管理し、排便習慣を整えるようにしてください。

(ニュース和歌山/2023年12月16日更新)