《回答者》
◆総合診療科・外科
貴志川リハビリテーション病院
西村 和彦院長
認知症とは、脳の病気が原因で神経細胞が破壊され、認知機能(記憶、判断力など)が低下し、生活に支障が出る状態をいいます。加齢による物忘れは脳の老化が原因で、ヒントがあれば思い出したりできますが、認知症の場合は物事全体をすっかり忘れ、ヒントを与えても思い出せず、進行性です。今後、高齢化とともに認知症の人が増え続けると予想されます。
認知症を来す疾患には、①アルツハイマー型②血管性③レビー小体型④前頭側頭型⑤アルコール性、などがあります。
予防のポイントとしては、アルツハイマー型や血管性では、高血圧や糖尿病、脂質異常症などの生活習慣病を治療し、脳血管をいたわることが重要になります。また、適度に運動し、深酒を慎み、バランスのよい食生活を心がけるなど、生活リズムを整えましょう。人とコミュニケーションをとることも大切です。社会活動に積極的に参加し、ストレスをためない生活をすれば、認知症の発症リスクが減少します。
予防は40歳ごろから始めると良いですが、何歳であっても手遅れではありません。気になる症状があればすぐに専門医を受診し、早期診断、早期治療に結びつけられるよう、日頃から対策を取っておきましょう。
(ニュース和歌山/2024年1月27日更新)