《回答者》
◆外 科
楽クリニック
藤田 定則院長

 寒い季節になると一気に運動量が減少し、水分を取る量も減っていきます。また、食事の量が変動したり栄養バランスが偏ると、毎日あった排便が2〜3日に一回になることがよくあります。便秘には明確な基準がなく、数日に一回であっても便が出ていれば、「自分は便秘症だ」という自覚を持つ方は少ないです。

 ところが、何日も排便できずにいると、2〜3センチの粘土状の便がくっつきあって肛門をふさいでしまい、気張ってもなかなか出てこないようになります。洋式トイレはしっかり踏ん張っていきめないことも多く、いっそう排便が難しくなります。さらに便秘のまま時間が経過すると、腹部膨満や肛門の強烈な不快感で苦しむ方がでてきます。こうなってしまうと、下剤だけでは容易には出せませんので、救急病院のお世話になる方も頻繁に見られます。

 普段から便が硬めの方やコロコロ便の方は、便がない2日目に、浣腸か下剤を使用し便を出すようにしましょう。下剤でも出ないことがありますので、浣腸を常備しておくことをおすすめします。予防の基本は、便が毎朝出るように、食事や生活習慣を見直すことです。加えて、冬場でも運動と水分補給を心がけましょう。

(ニュース和歌山/2024年1月28日更新)