《回答者》
◆総合診療科・外科
貴志川リハビリテーション病院
西村 和彦院長

 足の筋肉が急に痙攣して縮んだままになり、激しく痛む状態を「こむら返り」といい、ふくらはぎに最も多く発生します。筋肉の疲労や、神経と筋肉の間の指令伝達のトラブルが原因と考えられ、運動不足による筋肉の衰えや加齢などから、中高年に多く見られます。

 こむら返りがよく起こるのは夜間就寝中です。予防の基本は、適度な運動、ストレッチ、マッサージに加え、脱水への注意です。こむら返りが発生したら痙攣で縮んでいる筋肉を伸ばし、治まったら優しくマッサージして筋肉を緩めます。ふくらはぎの場合、タオルなどを足の裏にひっかけ、ひざを伸ばした状態で手前に引っ張ると痛みが和らぎます。一度起こると再び起こりやすいため、安静にしておくといいでしょう。

 こむら返りは、ほとんどの場合心配いりません。ただし、使っている薬や、何らかの病気が原因の場合もあります。こむら返りを誘発しやすい薬でよく知られているのは、脂質異常症の治療に使われるスタチンや、高血圧の治療に使われるカルシウム拮抗剤、利尿剤です。また、肝硬変や腎不全、神経炎や甲状腺機能低下症、カルシウム不足などでも繰り返し起こります。ご心配な点は、医療機関にご相談ください。

(ニュース和歌山/2024年3月23日更新)