《回答者》
◆眼 科
𠮷村眼科
𠮷村 利規院長

 ドライアイは、涙の不足などが原因で目の表面が傷ついたり、障害を起こす病気です。主な症状は、目の乾きや疲れ、不快感、見えにくさなどで、これらを訴えて受診される方が増えています。

 健康な目の表面は、安定した広がりやすい涙で覆われています。しかし、ドライアイの目の涙は様々な要因により不安定で、表面に広がりにくく、そのため角膜が露出し、傷がつきやすくなります。

 最新の資料によると、「眼表面の層別治療」といわれる考え方が主流です。少量のフルオレセインという色素で涙を染め、まばたきをしたときの色素の広がり方のパターンを観察し、ドライアイの原因が涙の水の減少なのか、角膜表面の水漏れ性低下なのか、涙液蒸発亢進なのか等を鑑別します。その結果をもとに点眼薬を処方することで、治療効果が出ることが分かってきました。

 近年、涙を補う人工涙液の点眼薬や、目を潤すヒアルロン酸ナトリウムを含む点眼薬が薬局やドラッグストア等で手に入れられるようになりました。市販薬で改善が見られなかったら、かかりつけの眼科を受診し、原因や病態を詳細に調べ、症状にあった治療や生活指導を受けてください。

(ニュース和歌山/2024年4月28日更新)