《回答者》
◆外 科
楽クリニック
藤田 定則院長

 一般的に痔の種類には、いぼ痔、切れ痔、痔ろうなどがあります。出血、痛み、違和感が主な症状で、ほとんどが便秘、下痢、温水便座の使いすぎが原因です。

 日常生活に支障なく、症状が軽い場合は、排便習慣の改善や投薬治療で良くなります。しかし、経過が思わしくない場合や進行した痔は、手術による根本治療が望ましいです。

 いぼ痔のなかでも、排便後に指で戻す必要があるものは、手術をしないと治りません。切れ痔だと、投薬治療を2〜3カ月続けても症状が改善せず、長年繰り返し、切れた部分が深くなったり、切れ痔に伴うポリープができている場合は、手術の対象となります。痔ろうは、根治手術が基本です。

 手術は、「日帰り手術」が主流です。当院では、30分程度の所要時間で、眠っている間に終わります。入院の必要がなく、手術直後から歩行が可能です。強い痛みや出血、気分不良などがないことを確認し、術後の説明を受け、帰宅します。自宅では安静にするよりも、普段通り生活する方がよいでしょう。

 医療機関を受診するのは勇気がいるかもしれませんが、「もっと早く受診すればよかった」と後悔したり、重症化する前に、医師にご相談ください。

(ニュース和歌山/2024年5月25日更新)