《回答者》
◆外 科
楽クリニック
藤田 定則院長
切れ痔は、排便時に肛門の皮膚が切れて、痛みや出血を伴う病気です。初期であれば、排便習慣を整え、注入軟膏を使用することで改善が期待できます。
これからの季節、暑さに伴い水分摂取量が増えることで、便が軟らかくなる傾向があります。軟便は排便が楽に感じるかもしれませんが、下痢や軟便に多く含まれる腸液は刺激が強く、排便のたびに肛門周囲の皮膚を傷つけ、弱くしてしまいます。さらに、排便回数が多くなることで、お尻への負担が増え、切れ痔を繰り返しやすくなります。
加えて、温水便座の使用やおしり拭き、石鹸洗浄によって、皮膚本来のバリア機能が失われ、より傷つきやすくなっている方もいます。こうなると、少しの刺激でもすぐに切れてしまい、より注意が必要です。
切れ痔の予防には、バナナ状でつながりのある適度な硬さの便を、毎朝すっきり出すことが大切です。そのためには、適度な運動や、食物繊維の多い食事を心がけましょう。また、肛門周囲の皮膚を過度にきれいにしすぎないことも大切です。 これらの対策を行っても症状が改善しない場合は、肛門科を受診し、適切な治療を受けることをおすすめします。
(ニュース和歌山/2025年6月28日更新)