妖怪をこよなく愛する漫画家マエオカテツヤさんの「妖怪大図鑑」。2026年の干支「午」にちなみ、「馬」が登場するお話を2つ紹介します。

マエオカテツヤさんの『和歌山妖怪大図鑑』は県内主要書店で発売中。1017円(税込)

旅人馬

山の妖怪
幸福度2
出没地域:西日本

 裕福な家のAと貧しい家のBは仲良し。ある日、そんな二人が旅に出た。途中、山の中で夜になったので、一夜の宿を求めた。宿の主は快く二人を迎え入れた。翌朝、主がだんごを振舞ってくれた。お腹がすいていたAは早速それをほおばると、Aの姿は見る見るうちに馬に変化した。Bは慌てて外に飛び出て助け求めた。たまたま通りかかった老人に訳を話すと「一本の木に七つ実のついたなすびを食べさせなさい」と言う。Bはあちこちを探し回り、ようやく七つの実のついたなすびを見つけて、宿に戻った。馬と化したAにそれを食べさせると元の姿に戻ったという。

 村に戻った二人の話に固い友情を覚えたAの父はBに財産を分け与え、二人はその後も仲良く暮らした。

 

馬鹿

町の妖怪
幸福度3
出没地域:全国各地

 百鬼夜行絵巻に見られる妖怪で、「馬鹿」と書いて「うましか」と読む。絵巻物には滑稽なギャグ漫画のように描かれているが、実は何の説明もされていない。

 妖怪の大家・水木しげる先生によると、これにとりつかれると、馬鹿騒ぎ、馬鹿力等無益なことに走らせてしまうらしい。

 馬鹿(ばか)とは「馬を指して鹿と為す」の故事からきているというが、この妖怪もそんなとんちんかんな姿をイメージをして描かれたものであろう。

 お正月くらい、家族親戚そろって馬鹿騒ぎもいいではないか。この妖怪も目が出て、めでたいものである。

 

(ニュース和歌山/2026年1月3日更新)