和歌山市の歴史や文化などをテーマにしたご当地かるた「ナグサトベ」が2015年12月に誕生した。同市伝統文化活性化実行委員会と文化活動を支援するNPO「銀聲舎」(ぎんせいしゃ)が連携して作成。銀聲舎の松尾寛さんは「50年後の和歌山の子どもが使うことを想定し、大人でも知らないような和歌山の人物などをあえて織り交ぜました。幅広い世代に楽しみながら地元を知ってほしい」と望んでいる。
文化庁の「文化遺産を活かした地域活性化事業」の補助を活用し、遊びを通じて地元に関心を持ってもらおうと作成。和歌山大学教養の森センターの協力を得て、学生約70人が「和歌山ラーメン」「ぶらくり丁」などのお題に合わせた読み札を5・7・5の字数で考えた。中華そばや加太の鯛、布引大根など有名なものから、本脇の糸切り餅や水軒の浜といった人々の記憶から薄れつつあるものまで様々だ。
絵札は観光学部4年の雑賀ひかるさんが担当。雑賀さんは和歌山出身で、「知っているスポットもあって描きやすかった」。子どもにも分かりやすいよう、シンプルに描きつつ、鮮やかな配色で目を引きつけるよう工夫した。教養の森の天野雅郎センター長は「県外からの学生が入ることで、固定観念にとらわれず作れた。学生たちが和歌山を知る機会にもなりました」と喜ぶ。
付録に、和歌山市を中心とした街の様子を描いた鳥瞰(ちょうかん)図があり、裏面に読み札の解説を盛り込んだ。同市小学校や子育て支援センターなどに配布。販売はしないが名刺サイズに印刷できるデータを銀聲舎HPでダウンロードできる。
また、1月30日(土)午前10時半、和歌山市民会館4階和室で「かるたとり合戦」を開催。親子1組500円、小4以上は子どものみ可で300円。希望者は同館(073・432・1212)。➡このかるたを抽選で10人にプレゼント。※1月13日必着。詳細はニュース和歌山1月9日号紙面をご覧下さい。
写真=色鮮やかな44枚のかるたがそろう
(ニュース和歌山2016年1月9日号掲載)