160910_suzumushi 和歌山城に秋の訪れを知らせる音色が響いている。有田川町から贈られた約1万匹のスズムシで、和歌山市小人町の城北保育所きりん組の25人が1日、鶴の渓に放った。

 有田川町の鈴虫愛好会が10年前から下水道処理施設やみかん畑などで繁殖させたスズムシを、2014年に続き、今年も寄贈した。藤岡昌三会長は「スズムシはとても繊細な生き物です。天候不順により生育しないこともあります。お城の石垣で卵を産み、繁殖し、毎年鳴いてくれれば」と話していた。

 ケースに入ったスズムシを外へ放すと、早速、羽をふるわせて鳴き始め、子どもたちは「リーン、リーンって鳴いてる!」と大喜び。千田朱織(あかり)ちゃんは「お母さんのパソコンで、スズムシとコオロギの鳴き声を調べてきた。またお城に聞きに来たいです」。三角知大(ともひろ)くんは「どこかで鳴いているのを聞いたことはあるけど、本物を見るのは初めて。いっぱいいて、楽しかったです」と笑顔を見せていた。

 鳴き声は9月下旬まで楽しめる。

(ニュース和歌山2016年9月10日号掲載)