桐蔭、西舞鶴 両高クラブ交流

161217_medaru 1936年のベルリン五輪陸上男子棒高跳びで、銀メダルと銅メダルをつないだ「友情のメダル」で知られる西田修平選手と大江季雄(すえお)選手。2人の後輩たちが10日、和歌山市で初めて開かれたクラブ交流会に参加し、友好を深めた。

 和歌山中学(現・桐蔭高校)出身の西田選手と京都府立舞鶴中学(現・西舞鶴高校)出身の大江選手はオリンピックで同記録となり、両者銀メダルになるはずだった。しかし、西田選手が2位、大江選手が3位とされたことで、帰国後、西田選手が提案し、2つのメダルを半分に切り、つなぎ合わせた。

 5月に埼玉で開かれた全国校長会で桐蔭の岸田正幸校長がこの話を紹介すると、西舞鶴の長島雅彦校長が名乗り出て、交流を企画した。

 この日は、西舞鶴の陸上、テニス、卓球、バスケットボールの部員が桐蔭を訪問し、体育館で2人の映像を観賞。岸田校長が「80年前の友情をきっかけにした交流。新たな歴史を刻んでほしい」と呼びかけると、長島校長は大江選手の銅像除幕式に西田選手が参加したエピソードを紹介し、「大勢の心がこもった新しい絆が始まれば」と期待をかけた。

 この後、クラブごとの試合や合同練習で、陸上部は紀三井寺陸上競技場に移動した。棒高跳びに取り組む桐蔭の東山真悠子さん(3年)は「80年前から受け継がれてきた話を光栄に思います」と喜び、小池佑真主将(2年)は「勝負にこだわるオリンピックでの温かい話を忘れてはいけない。交流が10年、20年と続いてほしい」。西舞鶴の松下修也主将(2年)は「同じ競技をする新しい仲間。大会で会えればうれしい」と願っていた。

(2016年12月17日号掲載)