猫の殺処分ゼロを目指し一部改正された和歌山県動物愛護管理条例が4月1日(土)に施行される。野良猫へのエサのやり方について規定し、飼い猫には名札などを義務づけた内容で、県食品・生活衛生課は「ルールを守らない人を取り締まるだけでなく、きちんと世話をしている地域には支援できる。猫を助けたい人、困っている人双方の助けになる仕組みができた」と話す。

 猫の不適正な飼い方や、野良猫への無秩序なエサやりのため、2015年度、県内で殺処分された猫は2478匹、人口比で全国ワースト3位だった。県は昨年から、地域住民に世話の方法を説明した人が野良猫に不妊去勢手術を受けさせて世話する「地域猫」の周知を図っている。これまで71の個人や団体の計画が県の認定を受け、約400匹が地域で暮らす。

 改正では、飼い猫に対しては、所有者の氏名や連絡先などを書いた首輪や名札の装着、ふんの処理を義務化。屋内で飼うことも努力義務に定めた。野良猫にエサをやる場合は不妊去勢手術されている猫に限り、時間と場所を決め、また、エサやり後は速やかに片付け、トイレを設置して適正に処理することを義務付けた。違反者には勧告、命令を経て罰金を科す。また、県が認定した計画の対象となる地域猫の不妊去勢手術費用に助成を行う。

 猫の里親探しなどに取り組む「城下町にゃんこの会」代表の奥康子さんは「元々取り組んでいる人にとってありがたいルールだが、本当に必要なのはきちんと管理されていないところ。民と官が協力し、譲渡会にも力を入れていく必要があるのでは」と見ている。

写真=ガイドブックなどで呼びかける

(ニュース和歌山より。2017年4月1日更新)