オフィス棟完成 統計局移転も検討


 南海電鉄が建設していた市駅南西のオフィス棟が3月15日、完成した。県、市と連携し進める同駅活性化計画の一環。6月までに20事業者が入り、2018年度に県内移転が予定される総務省統計局の統計データ利活用センター(仮称)の入居が検討されている。

 7階建てで1、2階の前面通路は天井と壁に紀州材を使用。将来、新駅に建て替わり、駐車場棟が完成した後は、駅と駐車場をこの通路でつなぐ。柱のないフロアは分割でき、紀の川や市街地を一望できる。

 金融機関やメーカー、通信などが入る予定で、約400人が働く。また、統計データ利活用センターと、県が設ける県データ利活用推進センター(仮称)の入居を調整中。県企画総務課の大石崇さんは「統計データが集まる関西の拠点が和歌山にできる。関空からのアクセスも良い」と話す。

 計画では、駅ビル解体工事は4月初旬着工予定で、7月に現在の駅舎2階にある改札を1階へ移設。19年秋に市民図書館、20年3月に商業棟、ホテル棟、駅舎と全ての完成を目指す。

 

水辺や施設活用 学生が36の提案


 市駅周辺を考えるまちづくりワークショップが3月17日に最終回を迎え、2050年に向けた基本方針と取り組み策を語り合った。

 ワークショップは地元商店街や自治会、和歌山大学が結成した市駅まちづくり実行会議が14年に始めた。この日は、水辺活用や周辺地域とのつながりなど5つの基本方針を確認。市の元寄合町分室へのレストランやゲストハウス開設、市堀川の歩行者専用橋、市電カフェや熊楠メモリアルパーク設置など36プロジェクトを和大生が提案した。

 和大3年の吉岡香奈さんは、「駅の北側地区と行き来できる橋や、市駅東商店街のセレクトショップと、エリア全体に目を向け提案できました」と満足そう。駅前で店を構える住民の溝畑武志さんは、駅から徒歩圏内で買い物や医療など生活に必要なものを全てそろえられる街にすべきと語り、「生活する人が安心して暮らせるように」と再生への思いを込めた。

(ニュース和歌山より。2017年4月1日更新)