日本芸術院会員で、日本美術院理事・同人の清水達三さんに学ぶ4教室の作品が一堂に会する「画塾の架け橋展」が5月10日(水)〜14日(日)、和歌山県民文化会館の全展示室で開かれる。

 1898年に岡倉天心が創設した日本画の公募展日本美術院展覧会。天心の渡米で一度途絶えたが、1914年に横山大観、下村観山らが再興した。観山が和歌山市出身とのこともあり、院展と和歌山はゆかりが深い。清水さんは63年に初入選して以来、入賞を重ね、現在、理事であるとともに長男の由朗さんと院展同人(審査員)を務め、100年を超える院展の伝統を和歌山で守っている。

 今展は、清水さんが指導する土曜会、騰の会、碧の会、含翠の4画塾の生徒が集まる初の展覧会。総勢60人による6号〜150号の日本画約80点を並べる。清水さんは大作「曳船」はじめ数点を展示。由朗さんも出品する。


 これまで何度も院展に入選したベテランから、今後を目指す若い人までの作品が並び、「和歌山には芸大がなく、中央へ挑戦する気持ちで皆、臨んできた。院展をつくってきた人、未来を担う人たちの作品を見てほしい」と清水さん。2021年に和歌山で開かれる国民文化祭に向け、関係団体の交流を深めるわかやま文化芸術協議会の会長に就任したこともあり、「国民文化祭に向けて気運を高める試みになれば」と望んでいる。

 午前9時〜午後5時。和歌山県民文化会館(073・436・1331)。

写真上=清水さんが下津港の海を描いた500号の大作「曳船」、同下=清水達三さん

(ニュース和歌山より。2017年5月6日更新)