ピアノデュオの祭典「第10回かやぶき音楽堂インターナショナルデュオコンクール」の本選が6月17、18日、京都府南丹市で開かれ、和歌山市のピアノ講師、兼子万実子さん(50、写真右)・𠮷田寿美子さん(48、同左)がC部門で2位に入った。

 共に同市出身のピアニスト、出口美智子さんに師事し、相愛大学で学んだのも同じだが、話したことはほとんどなかった。2年前、出口さんの門下生が出演するコンサートでの共演を機に、ライブハウスで演奏したり、フォルテワジマのピアノ広場に出演したりと活動を共にするように。「ソロは孤独ですが、2人だとプレッシャーは半分になり、楽しさは2乗、3乗になります」と兼子さん。

 同コンクールは、世界的なピアノデュオ、故・エルンスト・ザイラーさんと和子・ザイラーさん夫妻が企画・提唱し、福井県の寺を移築したかやぶき音楽堂を会場に、1998年に始まった。2人は出場に向け、家事やピアノ指導のかたわら、時間を見つけ、互いの家を行き来し、2月から連弾のコンビネーションに磨きをかけてきた。

 4月の予選を通過し、6月の本選ではグリーク『「ノルウェー舞曲」作品35より第2曲と第4曲』を演奏。息の合った音色を響かせた。審査委員長の和子・ザイラーさんからは「私たち夫妻もよく弾いた曲。すてきな演奏でした」との言葉をもらった。

 𠮷田さんは「お互いに小さなミスはありましたが、助け合える信頼があります。遠慮がないからか、『姉妹ですか?』とよく聞かれますね。また違うコンクールにも挑戦したい」と話している。

 2人は、9月16日(土)午後2時から、フォルテワジマでのピアノ広場に出演する。

(ニュース和歌山/2017年7月1日更新)