和歌山市のコミュニティラジオ局、エフエム和歌山が7月1日、深夜・早朝を中心に人工知能(AI)音声がニュースや天気予報を読む自動放送を始めた。アマゾン・ウェブ・サービス(AWS)のAIによる文章読み上げサービス「ポリー」を取り入れたもので、日本の放送局では初めて。エフエム和歌山の山口誠二さんは「ラジオは速報性が最も重要。アナウンサー確保が難しい時間帯や災害時に、最新ニュースを自動で提供できる」と胸を張る。

エフエム和歌山 深夜早朝 自動で

 ポリーはAWSが昨年末に始め、英語、フランス語、イタリア語など17ヵ国語に対応。日本語は人工的に合成された女性の声で読み上げる。

 山口さんは、提携する新聞社からメールで送られるニュース原稿をポリーが読みやすい形に変更し、自動で放送するオンタイム・プレーヤーシステムを開発。設定時間になると、最新ニュース5本を自動で選び放送する。従来、アナウンサーがいない深夜帯はニュースを流していなかった。

 今後、活躍を期待するのは災害発生時。インターネット環境とパソコンがあれば、安否や救援物資にかかわる情報を更新しながら、1日中流し続けられる。

 アクセントや間合いに違和感は残るが、「AIは、話し方を自分で学習するので、いずれ聞きやすくなります。それより、ニュースの第一報を伝えることに意味がある」と話している。

写真=AI活用の自動放送システムを開発した山口さん

(ニュース和歌山/2017年8月12日更新)