江戸時代の地誌書『紀伊国名所図会』に色を付ける塗り絵教室が10月12日、和歌山市和歌浦中の純喫茶リエールで開かれました。ニュース和歌山が同店で開いた「和歌浦の風景~江戸時代の紀州を訪ねて」に合わせて実施。指導した芝田浩子さんは「塗る過程で作者の細かな仕事を知ることができ、物陰に隠れた人を見つけるなど、当時の人の遊び心も感じられます。200年前の和歌山に触れ、散策してほしい」と話していました。

 『紀伊国名所図会』に色を付け、解説を加えた本紙発行の書籍『和歌浦の風景』。4月に和歌浦が日本遺産に登録されたことを受け、収録した絵図のパネル展を10月4日~16日に開きました。これに合わせ、同書の彩色を担当した芝田さんが指導する教室を企画しました。

 まず、芝田さんが「松の葉を1本ずつ丁寧に塗ることで幹が見え、木の感じがよく表せます」「瓦や石垣は、単色でも濃淡をつけると浮き出て見えます」と色を付けた時の工夫やこだわりを紹介。続いて、名所図会からコピーしたモノクロの絵を参加者が選び、約2時間かけて塗り分けました。

 観海閣を選んだ山上祥子さんは「細かな部分を観察でき、当時の人々ののびのびとした生活風景を感じられました」と笑顔。布引のスイカ畑を彩色した吉田圭美さんは「布引にスイカ畑があったのは意外。久しぶりの塗り絵のお題が地元の景色だったので楽しめました」と喜んでいました。

写真=芝田さん(中央奥)の指導で塗り絵体験

(ニュース和歌山/2017年10月21日更新)