銀河に含まれる星の数、年齢を光の色から調べる研究「近傍銀河の多色表面測光」を、和歌山信愛高校(和歌山市屋形町)2年生5人が課外授業で進めている。その一人、川野ひなたさんは「プラネタリウムが好きで、星の成り立ちを知りたくて選択しました。星の長い寿命について知り、驚いています」と話す。

 同高は、科学分野で活躍する女性を増やそうと、3年前から理系クラスの課外授業に力を入れている。これまで和歌山大学と協力し、ミニロケットや望遠鏡を作ってきた。今年は月数回、和大の富田晃彦教授や同高の理科教諭の指導を受け研究している。

 10月13日は、富田教授が画像の星を光の色ごとに分析する手順について話した。まず青、緑、赤の3色のほか、紫外線や赤外線など目に見えない光にまで分ける。さらに、金属の炎色反応のように、元素や温度と光の色には一定の関係があり、水素やナトリウムなど、星がどのような元素を含むのかが光から特定できるとの解説を受けた。

 次に、インターネットで国内の天文台が撮影した天体画像を見た。これらをさらに鮮明にする作業を繰り返し、研究資料にする。内田芽芳(めい)さんは「見やすい画像にするのに、思っていた以上に時間と手間がかかります」。

 今後は資料をもとに、銀河に含まれる星の数、平均年齢、空間分布を明らかにする。また、ハワイにあるすばる天文台の職員と議論し、宇宙科学に対する理解を深め、3月の天文学会で中高生が参加するジュニアセッションでの発表を目指す。

 富田教授は「科学は年齢や性別に関係なく仕事を進められます。地道な作業が多いですが、多くの人と協力して課題を解決する過程を覚えてほしい」と期待している。

写真=富田教授(右)の話に耳を傾ける

(ニュース和歌山/2017年10月21日更新)