紀の川市のシンガーソングライター、円香(まどか)さんが初アルバム『円香のうた』を20歳を迎える11月18日(土)に発売する。和歌山の自然を透き通る声で歌っており、「人の心の支えになるような曲を詰めました。ふるさとの魅力や自分らしさがテーマです」と話す。

 音楽好きの父親の影響で、子どものころから1970年代のポップスを中心にカバーしていた。りら創造芸術高校3年の時、歌手のおおたか静流さんの前座を務め、日本語のリズムを大事にした歌い方や、世界中を飛び回る姿に感動。ふるさとの自然を音楽で表現しようと志した。

 転機は今年春。3月のりら創立10周年に合わせ、イメージ動画のBGMを作曲した。また、在校中、世話になった老夫婦への感謝の思いから、高校のある地区がテーマの『真国︱Makuni』を書いた。

 4月にはデンマークの歌手と音楽を作るプロジェクトに合格し、9日間現地に滞在。1957年に日ノ御埼沖で炎上する日本船の救助作業にあたったヨハネス・クヌッセンに捧げた曲『ウェン・オーシャンズ・コライド』を作り上げた。この経験で楽曲制作に勢いがつき、10月にはJRきのくに線のイベント「紀の国トレイナート」で展示作品の背景音楽を作曲。那智勝浦町の下里駅近くにある教会でワンマンライブを開催した。

 アルバム収録曲は、片思いに揺れる心を月に重ね、高野山に住むフランス人チェリスト、ロビン・デュプイさんと紡いだ『夢』、3歳の時に作った70年代英米ロック調の『スリッパ』など8曲。「高校卒業時には、想像もしなかった出会いに恵まれ、今回の歌詞カードやジャケット製作も友人たちが協力してくれています。デザイン面も楽しんでもらえたら」

 2500円。円香さん(madoka_art@studio-zero.co.jp)。18日午後7時半、和歌山市築港の器とカフェと…扉で発売記念ライブ。投げ銭制。 

(ニュース和歌山/2017年11月8日更新)