靴底のゴムを主役にした手帳や置き時計、靴ヒモのキーホルダー。昨年11月、和歌山市堀止西にオープンした靴修理店、バーバン・シュー・リペアには、店主の野田地塩さん(38)が生み出す遊び心あふれる雑貨が並ぶ。「高い、安いではなく、気に入った靴を長く履けるのが一番。雑貨が靴に興味を持つきっかけになれば」と笑顔で語る。

修理職人 野田地塩さんが製作

 野田さんは星林高校から神奈川の大学に進学し、卒業後は東京で広告出版の仕事に就いたが、30歳を前に靴修理の世界へ。ビジネスマンが行き交う有楽町を皮切りに、蒲田、恵比寿、成城の店舗で経験を積んだ。

 知識をつけようと靴作りの教室に通ううち、修理に使う材料で小物を作るように。インターネットやイベントで販売したところ好評で、細部へのこだわりとマニアックさが靴好きの心をくすぐる。コインケースは、人気のイタリア、ビブラム社製のゴムを使用。〝滑り止め〟と〝合格〟をかけて、五角形に仕上げたものもある。

 独立のため2016年にUターンし、昨年11月に開業。革のクリーニングやケアも手掛ける。特に革靴は、水洗いする店が大半なのに対し、泡で汚れを浮かすことで縮みを防ぎ、質をよみがえらせる。

 「一度の修理でなく、靴と付き合っていきたい。いつか小物作りのワークショップもしたいですね」と描いている。

 午前10時〜午後7時。水曜休み。同店(073・488・3790)。

(ニュース和歌山/2019年1月5日更新)